真夜中の太陽

 

真夜中の太陽 (ハヤカワ・ミステリ)

真夜中の太陽 (ハヤカワ・ミステリ)

 

大金と銃を持った「始末屋」の男がやってきたのは、少数民族サーミ人が住まうノルウェー北部。夏の間は真夜中でも陽が沈まない極北の地だ。男はウルフと名乗り素性を隠すも、教会の堂守のサーミ人母子と次第に心を通わせていくことになる。やがてオスロから男の命を狙う別の「始末屋」がやってきて…

むむむ、いまいちであった。ネスボ、もっと書けるでしょ!!と思いました(どこから目線?)。サーミ人が出てくる物語ってのがめずらしくて、彼らの宗教観を知れたのはよかったけれどもうちょっと掘り下げてほしかった。ウルフの過去も。ハードボイルドになりきれない、薄っぺらいラブストーリーのようで物足りなさを感じました。獣の死体の中に身を隠す方法は何かの映画で見たな。『その雪と血を』 と連作で、一部の登場人物や組織がかぶってるらしいけど思い出せず。狩られる側のウルフが「狩猟者」と自らの職業を偽っているところにネスボみがある。寂しそうに皮肉っているけれど、最後は本当にそうなる、勝者になる感じ。