性差の日本史

昨日読んでた本は、マーガレット・アトウッド『獄中シェイクスピア劇団』で、シェイクスピア作品を様々な作家が語り直すというシリーズもののひとつらしい。アトウッドが選んだのは『テンペスト』で、ラップありイカした罵倒語の羅列ありで、しかも『テンペスト』を語り直しながら作中でも刑務所の劇団が『テンペスト』を自分たちなりにアップデートして演じるということで、語り直しの入子構造のようになっており、アトウッド先生、こんなのも書けるんすか…と脱帽ものの面白さだった。言葉遊びとかラップの韻の踏み方とか、鴻巣さんの翻訳もすごくよかった。でも大変だったろうなー。参考にした作品としてアトウッドがロジャー・アラムがプロスペローを演じた『テンペスト』を挙げており、検索したら大変セクシーなアラムが出てきたのでこれもうれしかった。

パンケーキの朝ごはんを食べ、強風の中シーツとガーゼケットを洗って干して外出。京成線に揺られて佐倉にある国立歴史民俗博物館で『性差の日本史』展を見てきた。イヤホンを忘れたことに気がついてガックシであった。11時半〜12時半の枠を予約しており、展示室に入ったのが12時15分過ぎくらいだったので結構ギリギリだった。館内に入ってから手の消毒、検温、チケットを買う、連絡先を書く、しかも展示室が一番端っこにあって遠い、でやることだったり距離の問題が結構あるのだ。これは予想外だった。間に合ってよかった。展示は古代〜中世〜近世〜近代と分かれており、古代では卑弥呼がいて、中世でも北条政子とか政治にがっつり関わっている女性がいて、大奥もあったけれど、明治時代になるとそれが解体されて、女性が国や政治の中心から排除される。で、どうなったかというと女性が売られたり買われたりする社会ができた。ものすごい坂の転がり方でこれは見ていて辛かった。人間として見られていたのにモノになってしまったかのようだ。売春宿を再現した展示とか実父が娘を売った時の契約書(苗字は隠されている)とか、見ていて辛かったなぁ。近代〜現代の展示で「男女同一労働、同一賃金」のコピーが書かれているポスターがあって、1948年のポスターだったけれど2020年の今でもこれはなされていなくて、全く進化なしということでこれも悲しくなった。最後に村木厚子さんのインタビューがあって、日本はジェンダーの問題で断トツの劣等生であるが、これまで制度によって悪い方へ変わってきたのだから、これからも制度によって良い方に変わることができる、そういう期待を持ちましょうみたいなことを話していた。しかしここ最近のおじさんとおじいちゃんとおばさん(主に自民党の)の発言を聞いていると、ほんとにそんな風になるかぁ??という感じである。見終わって外に出ると入場制限をしていた。

常設展をさらっとすぎるくらいさらっと見て、15時半ごろ見終わって、お腹が減ってヘトヘトになったが館内のレストランはオーダーストップになっており、駅前も閑散としていて何もなく、そのまま帰ってきた。あわよくば千葉市美術館もと思っていたがそこまでの体力はなかった。

乗り換えの駅にケンタッキーがあったので寄ってしまった。お腹がぺこちゃんだったんだもの。3ピースとポテトのLをクーポンで買う。帰ってきてからむしゃぶりつく。おいしー。パンケーキをカットして冷凍し、ほうれん草のオイル蒸しを作り、ごはんを炊いた。シーツを新しいベージュのものに変えた。疲れていたのにケンタッキーパワーである。えらかった。

とうとうGOTOが新規の予約を取り止める、というような措置になりそうだ。すでに予約済みのものはいいんだろうか。いや、もう行く気満々なんであるが。